子どもを塾に通わせていて、なかなか成績が伸びないというときどうすればよいのでしょう?
このまま通塾させてもよいのか悩んでいる親御さんも、世の中に結構いらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では「塾を続けたほうがよいのか?」という疑問を、以下の2つの項目を中心として考えていきます。
- 塾をやめるべきかどうかの判断基準
- 塾のやめ方(塾への言い方・伝え方)
塾をやめてしまうリスクとデメリット
まずは塾をやめてしまうことによって発生してしまう、デメリットについてまとめてみました。
- 入塾金や通年教材費など、初期にかかる費用をまた支払わなければならない
- 塾の先生との信頼関係を、一から築いていかなければならない
- 新しい塾の環境に慣れるまでに時間がかかってしまう
- 子どもがやめることに納得していない場合、家庭内の空気(雰囲気)が悪くなってしまう
- 別の塾を探しているあいだに、成績が下がってしまう可能性がある
もちろん成績が伸びないまま、惰性で塾を続けてしまうのは避けなければなりません。
ただ、塾をやめる場合にはある程度のリスクが伴います。
そのことを考慮に入れた上で、「やめるか続けるか」を選択するべきだと思います。
塾をやめてしまってよいかの判断方法
まず考えなければならないのは、塾の形態がお子さんに合っているかどうかということ。
いくらやる気があったとしても、塾がお子さんに合っていなければ、成績はなかなか伸びません。
そちらを踏まえた上で、成績が伸びない原因がやはり塾にあると感じられる場合は、以下の点を確認してみてください。
塾で使っている教材を見てみる
塾で使っているテキストやプリント・ノートから、塾での学習の様子をある程度は窺い知ることができます。

塾としての「良い例」と「悪い例」をまとめてみました。(↓)
- 解いた問題のやり直しをしっかりやれている。
- テキストの空いたスペースに、メモや書き込みがしてある。
- 間違えた問題のところに、講師が指導した跡が見られる。
- プリント類に統一感があり、教える側の計画性が見られる。
- 丸つけをしていないページや、解答を丸写しにしているような部分が多く見られる。(※身についていない)
- テキストをただコピーしただけのプリントがファイル内に多く見られる。(※講師のやる気や準備が不足している)
学校のテストの点数が伸びない
この場合にお子さんを引き続き通塾させてもよいか、判断基準が2つあります。
- お子さん自身に「学力や自信がついてきている」という実感があるかどうか
- 塾側に成績を伸ばす明確かつ具体的なビジョンがあるかどうか
今現在の点数が悪かったとしても、今後伸びることも考えられますよね。
要は、先の成果に期待がもてるかどうかということです。
今後の指導法を明示し、「〇〇のテストまでに点数を伸ばします」とハッキリ言える塾なら、その期限まで待ってみてもよいでしょう。
これまで以上にお子さんに力を注いでくれることにも期待ができます。

塾としても、塾生に辞められたら困りますからね。
逆に、「努力します」「頑張ります」など、精神論だけでザックリとした話しかできない塾(講師)は要注意。

先を見据えた計画的な指導がやれていない証拠です。
お子さんの様子をちゃんと把握できているのかどうかも、怪しいところです。
塾や講師を判断する際に感じてほしいこと
もし子ども自身に「やる気」が見られないとしても、それがすべて子どもの責任とはいえません。

そもそも「子どもにやる気がないから入塾させた」という保護者も多いでしょうからね。
「学力面の指導」はもちろんですが、「精神面のケア」も塾の大事な役割だということです。
たとえば入塾後に、子どもが成績不振に陥ったとしましょう。
その際に、「子どもさんにやる気がありませんから。」と言って、責任をすべて子どもに押しつけるような雰囲気を塾側(講師)に感じるようなら、転塾することをお勧めしたいです。
塾は、子どもの成績に対して、全面的に責任を負うというスタンスであるべきです。
「これまで成績を伸ばせず申し訳ありません!」
第一声にそのことばが出てくる講師ならば、任せても安心でしょう。
教室内がおしゃべりでうるさくて集中できない

お子さんがそう言い始めたら、すぐに塾に相談しましょう!
授業中であれば「指導力不足」、自習中であれば「管理力不足」です。
いずれにせよそれは塾の責任であって、子どもに改善を要求する案件ではありません。
塾に相談し、しばらく経ってもその状態が変わらなければ、迷わずやめてしまっていいと思います。
集中して学習できる環境をしっかり整えている塾なんて、他にいくらでもあります。
我慢してその塾に居続ける必要などまったくありません。
子どもがいつも暗い表情で塾から帰ってくる
この場合、以下のような状況が考えられます。
- 塾の先生からいつも叱られている
- 塾での学習内容をいつも理解できない
- 宿題忘れを毎回注意される
- 周りの子たちとの関係がうまくいかず居心地が悪い
塾の講師と子どものどちらに原因があるにせよ、あまりいい状態とはいえません。
塾の先生から褒められたり、充実感を感じていたり、
子どもが安定した精神状態で勉強ができているときは、元気に家に帰ってくるはずです。
子どもの学力向上へのモチベーションは、学習環境に大きく左右されます。
「気持ちの問題だから…」とスルーしてしまわず、改善してあげることが必要です。
塾で気力・体力を使い切ってしまう
塾での拘束時間や宿題の分量などが、子どもの許容範囲を超えると、学校での勉強がおろそかになってしまいます。
勉強をする時間は、学校のほうが圧倒的に長いわけですから、子どもに「塾の勉強だけで成績を伸ばそう」などとは考えさせないこと。
当然ですが、学校と塾の両方を充実させるのが、学力向上のいちばんの近道です。
塾にスケジュール調整の相談をするか、それができないのであれば、別の塾に転塾することを考えたほうがよいでしょう。
塾をやめるときの方法
いろいろと相談しながら、やはり塾をやめるほうがメリットが大きいと判断した場合は、退塾の手続きを申請しなければなりません。
塾との契約上の話ですから、そこはもちろん親の出番です。
その際、事前にお子さんから塾に伝えさせるのは避けるべきでしょう。
やめてしまうのを全力で引き止めようとして、塾がお子さんの耳に不要な情報を入れてしまうかもしれませんよね。
親が電話で連絡を入れるのが、妥当な処置だと思います。

ただし、以下の点は考慮してください。
すでに納金済みの月謝の返金には期待できません
月謝が無駄にならないよう、塾のスケジュールを考えて、退塾の日程を考えましょう。
お子さんに対する塾の対応が変わってしまう心配があるので、ギリギリまで塾には伝えないほうがよいです。
再度入塾する可能性がある場合
この場合は、塾に直接話をしに行ったほうがよいかもしれません。
あとは、これまで塾が親身になって考えてくれた場合も同様です。
塾を去るお子さんにとっても、後ろめたさを感じさせずスッキリやめることができれば、それに越したことはありません。

そこは気持ちの問題ですね。
おわりに
個人的な意見として、「やめ方」についてはあまり気を払うことではないと思います。
たとえ気まずい別れ方になったとしても、相手(塾の講師)は所詮他人、つながりも契約上のことです。
子どもにとっては現在の環境を維持させるほうが楽ですから、たとえ成績が伸びていなくても、本人からはなかなか動きを起こせないものです。

この塾ではウチの子は伸びない!
そう確信した場合は、なるべく早めに親御さんが対処してあげるべきでしょう。